ある朝のエピソード(巣から落ちた幼鳥)
2025年7月16日 11時29分

6月25日の朝、雨がパラつく中央公園でいつもの顔ぶれがラジオ体操を終え公園の出口に差し掛かったところ、植え込みの上に一羽の小さな鳥がうずくまっているのに気が付きました。
幼い鳥は人を恐れることもなく手を差し伸べても小さな口を開けて鳴くだけで飛ぼうとはしません。まだ幼くて巣から落ちたものの飛ぶことが出来ず、親鳥を呼ぶだけなのでしょう。
このままでは猫などに襲われてしまう、と心配し持っていたタオルでそっと包み、ビニール袋に入れて持ち帰りました。どこかしかるべき施設に届けようと思ったからでした。家にあったダンボール箱に幼鳥を入れ、ふたを開けて網をかぶせて縁先に置きました。
8時30分に町田市に電話をかけ、保護した鳥はどこに届けたらよいのか、と尋ねたところ、町田市にはそのような所は無く多摩環境事務所の鳥獣保護課に連絡してほしい、と言われました。
立川にある多摩環境事務所の始業を待って電話を掛けたところ、鳥獣保護課では、野鳥は一切保護せずそのまま元に戻してほしい、と言われそのまま植え込みの上に留まらせたら猫などに襲われてしまう、と反論したのですがそれも自然の成り行きに任せることだと言われて渋々納得しました。
朝食を終わり雨粒が大きくなり始めたころ鳥を入れたダンボール箱を積んで中央公園の入り口まで車を走らせ、雨の降る中ダンボール箱からそっと幼鳥を植え込みの上に留まらせてやりました。
車に乗り込んで公園に目をやると、なんと植え込みの幼鳥の前に親鳥と思われる尾長が餌を与えているではありませんか!
幼鳥は尾長のこどもだったのです。 中央公園には多くの尾長が住んでおり、毎朝鳴き声や飛ぶ姿を目にしていたので納得しました。飛べない幼鳥が無事に育って飛べるようになるのを祈るばかりです。
(渡邉 澄)